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Resonance

快復への道のり

ネオテニー

幼生成熟。

 

高橋コレクションという名で知られる、現代美術コレクターの高橋龍太郎氏の新書「現代美術コレクター」を一気読み。

 

高橋コレクション、という存在は何度か目にしていたけど、ひとりの人間が集めている、という認識にはそもそも至っていなかった。

彼は精神科医だ。

 

草間彌生に始まったコレクションは、会田誠山口晃に及び、さらに広がり続けている。日本の現代美術のコレクションとしては、最大のものになってしまった。個人のコレクションが。

それを嘆いてもいるのが本書だった。

精神科医の僕が片手間で集めたコレクションが、何故日本最大なんだ、美術館の予算はあまりにも無さすぎる、日本は文化振興費に予算を投じていなさすぎる、と。

 

そう、トリエンナーレビエンナーレはたしかに地域振興として乱立状態になっているけれど、では恒常的な所蔵作品は、となると、全然、ほとんど、ない。

東京都現代美術館ですら、ほとんど持っていない、と言ってもいいほどにないのは、僕もよく知っている、というか、言われてみればそうだ。

 

ま、その辺は置いておくとして。

 

ネオテニーとは、幼生成熟の原語である。

ヒトという種は、類人猿の幼児がそのまま成熟を迎えるようになったことで分化した、という、ほぼ定説的に語られる仮説がある。

日本の現代美術は、世界の芸術の潮流の中でのネオテニーである、と。

なおかつ、日本の伝統的美意識に裏打ちされている、と。

 

一気に読み終えるだけののめり込み方を久しぶりにした。

 

名和晃平のPixCell-Lionは、高橋氏の営むクリニックの玄関口に、通りに面して光り輝いているらしい。

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