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Resonance

快復への道のり

歌仙兼定

良く晴れ上がった昨日は、目白台永青文庫に、細川家伝来の国宝指定、名刀、歌仙兼定を眺めに。

 

展示棚のガラスにまさに貼りつかんばかりの人達は、長蛇の列を成していたけれど、僕は自由気ままに後方から眺めていた。造詣深くもないしね。

特別な思い入れのある人の個展であれば、僕もたぶん呆れ返るほどじっと見ているだろうけれど、回顧展や、たくさんの画家が並んでいるような展示であれば、お気の召すまま眺めるのが好きだ。十分に距離をとって正対して眺めるのはいい。

 

 

昨日は好天に任せて実によく歩いた。

江戸川橋駅から歩けば近いのは知った上で、勤務先最寄りの飯田橋で降りて、久々に通勤時と同じ階段を登ってみる。

日曜とはいえ、わざわざ会社を眺めに行こうとは思わなかったけれど、幾つかの店舗は知らぬ間に入れ替わり、普段使いしていたATMはビルごとなくなって、建て替わっていた。

それだけの時が流れたのだ。

 

ひっそりと佇む筑土八幡宮に手を合わせ、牛込の入り組んだ路地に分け入る。

すぐ隣は神楽坂なので、どことなく上品な街並み。素朴なうつわを売るお店をのぞいてみたり。

 

賑わっている赤城神社に出くわして、当然のように入っていくと、とてもモダンな社殿とカフェを備えたマンション付きの社務所。

お巫女さんも、カフェの店員さんも、あかぎマルシェという不定期なハンドメイドの販売をしている店員さんたちも、みんな親しげで、自然と会話ができる。

木版画を売っていたおじさんのお店で、縮小して収めた手のひらサイズの赤富士をいただいて、結構長いことお話しできた。

東洋大学の学生さんがやっていた、ラオス産のフェアトレードコーヒーの挽いたものをいただいて、これまた結構話し込んだ。明るくて楽しげで眩しい学生さん達。

 

そして、神田川沿いから、椿山荘や東京カテドラルを抜け、木立に囲まれた永青文庫の邸宅へ。かなり大きいと感じたのだけれど、使用人達の住居なんだそうだ。

 

刀剣にぐるりと囲まれた展示室で、ソファにぺたりと腰掛けていると、異様に若い女性が多いことに気がついた。

同じくソファに腰掛けた女性に聞いてみたら、予想通りというか、刀剣乱舞の影響らしい。ゲームから始まり、舞台化までされたらしい。なるほど。

 

抜き身の刀身の刃文が美しいのはもちろんだけれど、僕には、秘蔵の太刀を書き写した巻物が実に面白かった。銘に、二匹の蛸がユーモラスに絡まっている名刀だなんて、ちょっと面白い。

 

細川家の所蔵品がとんでもない質と量だということが良くわかって、思わず賛助会員になりかけたけど、心を落ち着けてとりあえず図録を買った。

 

坂を下ったところにあった水神神社は、ものすごく小さなお社だったけど、敷地を覆い隠さんばかりの二本の大銀杏が両脇に聳えていて、じつによいところだった。

携えていたクリスタルガイザーを空になっていた酒器に注いで、お参り。

鳥居の脇で眠そうにしていた、鳴き声が掠れて声にならない老いた猫を愛でて、ばいばい。

 

その後は、また少し坂を登って、早稲田至近のドラフトコーヒーが飲めるお店にいけて、さすがにオーナーはいなかったけど、店員さんとは話ができた。

今度はお腹を空かせてこよう。

 

 

ま、そんな日。

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